AP&Tと Meconet の革新的なパートナーシップはプレステクノロジーとサービス契約に新たな基準を設定 

フィンランドの工業会社 Meconet に新しいプレスラインが必要となり、同社は50年以上にわたって緊密に協力してきたパートナー企業AP&T を選びます。この連携によりすぐに共同のイノベーションプロジェクトが始動し、新しいテクノロジーや革新的なサービス契約の開発へと進みます。

フィンランドで最大となる AP&T の1,600トンサーボプレス機は今、アーネコスキにある Meconet のハイテク生産ラインの要です。写真:Meconet
フィンランドで最大となる AP&T の1,600トンサーボプレス機は今、アーネコスキにある Meconet のハイテク生産ラインの要です。写真:Meconet

Meconet と AP&Tのコラボレーションがはじまったのは1960年代。Meconet は長年にわたり多くの AP&T プレス機に投資してきました。2020年、同社はフィンランド最大となる1,600トンのサーボプレス機を発注。これは強力で高エネルギー効率の機械となるだけではなく、AP&T との新しいテクノロジーの開発が可能となります。この投資は理に叶ったもので、Meconet の成長戦略とも合致するものでした。

–「AP&T が有する技術面での専門知識と、複雑な課題の解決力は、これには最適だ。」と、Meconet ビジネスエリアディレクターのミイカ・リイティネン(Miikka Riittinen)氏は述べています。

この技術ソリューションは脈動油圧式ダイクッションとして知られ、深絞り加工と組み合わせることで、より高精度でより高度な部品の生産と材料利用率の向上を可能にする方法です。生産稼働率を高めるため、可動式ボルスターも統合できたことで、セットアップ時間が早まりフレキシビリティが強化されています。

–「これに目を向けはじめたとき、サーボテクノロジーは市場ではまだ新しいものだったため、脈動油圧ダイクッションというMeconet の考え方が新しい可能性への扉を開いたことになる。私たち 2社は、市場で新しい、そして変化していくニーズに対応するため、協力してソリューションを開発することに可能性を見出した。」と、AP&T キーアカウントマネージャーのクリスター・ペッターソン(Krister Pettersson)氏は述べています。

両社のエンジニア、経営陣、開発チームによる緊密な対話はプロジェクト開発に非常に功を奏しました。

脈動油圧式ダイクッション - 精度と新たな可能性

脈動油圧ダイクッションは、シートを固定する圧力がプレスサイクル上で変化するという板金成形での優れた技法です。この結果、材料制御と成形を強化できる上、工具変更の必要性が減るため、生産プロセスの効率が高まります。このテクノロジーでは、材料をより厚く強いものに成形することもできますが、これは、より大型で高強度の部品生産には必須で、特に、重量車両や、エネルギー保存、造船業などの分野では貴重なテクノロジーになります。

–「当社では100年以上にわたり深絞りに取り組んでおり、AP&Tとそれを支える専門知識とをもって、設計技術を次のレベルに引き上げるよう努めている。脈動油圧ダイクッションがあれば、以前より少ない寸法変更でより深く複雑な部品の成形が可能だ。」と、Meconet のミイカ・リイティネン(Miikka Riittinen)氏は述べています。

Meconet 工場長のヤルモ・レゼネン(Jarmo Räisänen)氏もまた、新しいソリューションに大きな技術的利点を見出してます。

-「私たちにとっては、より複雑な部品を高精度で、材料の無駄を最小限に抑えてプレスできるようになる。そして、私たちの脈動油圧式ダイクッションというアイデアを具現化する上で、AP&T は非常に貴重な存在となった。マテリアルフローをよりよく管理できるようになり、以前は不可能だった方法で生産が最適化された。」と、同氏。

フィンランドのMeconet アーネコスキ工場に新しく設置された完全自動プレスラインでは、さまざまな顧客企業向けに幅広く、かつ中小規模の数量を生産しています。1日に10種類の部品を生産することもあるため、柔軟で速やかに工具を変更する機能が、高速セットアップ時間の維持には特に重要になります。

-「この新しいテクノロジーを搭載したサーボプレス機は、私たちにとって大きな技術的飛躍を意味した。」と、Meconet のミイカ・リイティネン(Miikka Riittinen)氏。

フィンランドで最大となる AP&T の1,600トンサーボプレス機は今、アーネコスキにある Meconet のハイテク生産ラインの要です。写真:Meconet
フィンランドで最大となる AP&T の1,600トンサーボプレス機は今、アーネコスキにある Meconet のハイテク生産ラインの要です。写真:Meconet

革新的なサービス契約が長期的なビジネス利益を生む

技術開発に加え、AP&Tと Meconet のコラボレーションにより、サービスとメンテナンスに新しいアプローチも生まれました。2社は共同で革新的なサービス契約 – 利用契約 AP&T 360 – を開発。これが、両社が機械を最高条件で稼働させるインセンティブとなっています。

AP&T ビジネス開発マネージャーのヤン・ラーソン(Jan Larsson)が新しいサービス契約を開始。
-「AP&Tはずっとパフォーマンスではナンバーワンだ。当社の設備には持続性があり、ずっと高信頼で稼働できる-このサービス契約は私たちが示す約束に自信がある証拠だ。」と、同氏。

Meconet との契約では、電話での対応や応答保証、予防メンテナンスなど従来のサービスもありますが、以下のような革新的なものも含まれています。

  • SaaS(サービスとしての予備品)– Meconet は定額制により AP&T が保管する予備品を利用できます。この制度を利用することで、自社内倉庫が不要となり、部品を循環利用できるようになります。
  • パフォーマンス保証 – 価格設定はラインのパフォーマンスとリンクされ、Meconet と AP&T の両社とも、最高水準のアップタイプと効率を維持できるメリットがあります。

–「このタイプの契約では当然、オペレーションと利用状況を顧客が体系的に監視する必要があるため Meconet がこの分野では先駆者となる。つまり、私たちのモデルは相互信頼と責任の共有がベースとなる、といえるだろう。」と、AP&T のヤン・ラーソン(Jan Larsson)氏は述べています。
–「この契約により安心が得られ課題で頭を抱えることが少なくなる。これで自社の業務、つまり、顧客向けの革新的ソリューションの開発に集中できる。」と、ヤルモ・レゼネン(Jarmo Räisänen)氏は述べています。

 

未来へのパートナーシップ

AP&Tと Meconet のコラボレーションにより、ハイテク生産ラインと、サービスとメンテナンスのための優れた契約モデルも生まれました。これが Meconet にとって生産の安定性と品質の向上につながっています。また、AP&T にとっては、革新的なサービス・コンセプトをより多くの顧客に提供する機会となりました。

–「私たちのチームワークを通して、顧客ニーズの理解がさらに深まるなど、新しい情報が得られることにつながったし、それが自社開発を強化することになる。」と、AP&T のクリスター・ペッターソン(Krister Pettersson)氏。
 

2025年6月

 

ファクト:Meconet

Meconet は、スプリング、スタンピング、および深絞り製品製造において125年の実績を持つ、フィンランドにある家族経営企業です。Meconet は、国際展開の強味を活かし、製品設計、工具設計、開発、受託製造のサービスを提供しています。従業員数は約450人で、フィンランドに工場を5ヵ所、エストニアに工場を1ヵ所、あわせて6ヵ所の工場抱え、今後も国際的な成長を見込んでいます。

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